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石油ストーブのお手入れと知識
7.簡易ペチカとストーブの関係
6.電源経路の点検
5.送油経路の点検

屋外にオイル(灯油)タンクが設置されていて、室内にコック(元栓)がある場合でもストーブをご使用にならない時には「必ず元栓を閉じて」下さい。また、室内にオイルタンクを設置している場合でも、ストーブや風呂釜、石油給湯機などを使用しない時には「必ず元栓を閉じて」下さい。更に、元栓(コック)部分や、配管されている部分をはじめ、送油ゴムホースの点検もお忘れにならないで下さい。特にホースバンド(止めがね)で締めつけてある部分や、ストーブの熱が加わったと思われる箇所では、ゴムホ−スを折り曲げてみて表面に細かなひび割れが生じていたり、弾力性が失われているように感じた場合には、早めの交換を行って下さい。
(メーカーの中には、2年目毎の交換を義務づけているところもあります)
「燃焼用送風機」
1.綿ホコリのお手入れ
8.オイル(灯油)タンクについて

 「屋外用490リットル入りオイルタンク」
設置して何年かすると外側のサビや、タンクの傾きなどに気を付けられますが、オイルタンクの内部にも関心を忘れないで下さい。
初夏から真夏に掛けてお台所の水道管に結露水(汗)がついていることがあります。
この時期にはオイルタンクの内部でも、同様な現象が起こつています。水道管についた結露水の場合には、拭き取ってしまえば問題は起きませんが、オイルタンクの内部に発生する結露水の場合には、オイルタンクの内面について結露水がタンクの底面に流れ落ちて、溜まってしまうのです。一旦タンクの底面に溜まった水は蒸発することもなく、その量を増していくのです。
屋外オイルタンクの構造では、およそ10リットル程度の水が溜まっても機能は正常に保てますが、タンクに傾斜があったりその限度を越してしまうと
「送油経路」に水が流れ込んでしまいます。また、その限界に近い時に寒冷期を迎えますとこの水が凍結し、体積が膨張してしまうために送油経路に様々な障害が発生することになり、すべての石油燃焼機器は運転を停止してしまいます。
オイルタンクや送油経路での障害の発生を予防したり防止したりするには、夏場でもオイルタンクを空にしないで、空気に晒される体積を少なく管理することと秋口には必ずオイルストレーナ(フィルタ部)を目視で確認し、水の混入のないことを確認することと、3〜5年に1度は
「水抜き」を業者に依頼して洗浄することが賢明といえましょう。


「屋外設置90リットル入りオイルタンク」
本来は
「室内専用タンク」として販売されているものが、便宜上屋外で使用されているものです。屋外といっても様々な場所で使用されていますが、ふたを常に被せた状態で使用したり、上手な管理のもとで使われている場合と、ふたを被せないで使用されていた場合では、大変な違いが生じます。
オイルタンク内部に結霧水が溜まる症状は、先に説明した490リットル入りタンクと同様です。
更にこの設備の場合に大事なことは、タンクの底部に小さなストレーナとコックがありますので、頻繁な点検により水や汚れの混入を察知することと、このコックからゴムホースで鋼配管に接続されている場合には、ゴムホースの老化や劣化、灯油漏れのないことも、常々点検していただくことが大切です。 また、ふたのないもの、外面のサビが極端にひどいもの、打ち傷や変形のあるもの、内部にサビや汚れのあるものなどは、お取替えをお勧め致します。


「室内設置90リットル、20リットル入りオイルタンク」
私達が点検整備や出張修理業務の際に点検させていただくオイルタンクでは
「灯油漏れ」がないからとの理由から、使用の限界を越えていると判断されるものも非常に多いのが気になります。例えば、オイルフィルターのないもの、ゲージ面にカバーのないもの、ゲージが動かないもの、足の国定がしっかりしていないもの、コックから灯油の漏れているもの等々で、このようなタンクではほとんど内部にサピや汚れも見受けられました。灯油が漏れ出してからでは遅過ぎます。常に点検をして異常を見つけたら早めにタンクの交換をして、事故を未然に防止するよう心掛けて下さい
2.ガラス円筒のお手入れ
外観はきれいでも機器の内部の綿ホコリがいっぱいに詰まっています。なかには、「良く今まで燃焼を続けていたもの」と思われるものも少なくありません。煙突付きのストーブでは、燃焼用送風機のフィルタを通して、ファン(羽根)→風導→ポットバーナーヘと燃焼に必要な空気が送られて、燃料の灯油と混合され最適燃焼する構造となっています。この流れの途中に綿ホコリによる障害が生じますと、アンバランスな燃焼(不完全燃焼)となります。
フィルタとファン(羽根)に付いた綿ホコリを時々取り除くだけでも、不完全燃焼の予防効果は大きくなります。

4.ポット(バーナー)部の点検

この部分の点検やお手入れも、十分な知識と注意が必要となります。
ポット(バーナ)内部には「点火ヒータ」とか「フレームロット」などの部品が組み込まれていますが、どの部品も大事な「機能部品」です。その他に「点火ヒーター吸い上げ芯」「気化クロス」とかの部品がついた機種もあり、気軽な気持ちで掃除機などを使用してポット内のスス(カーボン)とともに吸い取ったりしますと、機能障害を起こして故障の原因にもなります。やはり専門技術者にお任せした方が無難と思います。
ポットの写真
10.FF式ストーブについて

ご承知の通り機器本体の裏面から、細い給気管と排気管を接続して燃焼に必要な空気を外から取り入れて、燃焼排ガスを屋外に排出する極めて安全で燃効率の高いストーブですが、お手入れを怠ると思わぬ落とし穴が待ち構えていることもあります。例えば、カーペットを敷き替える場合とか、内壁のビニールクロスを張り替える、或いは外壁のサイデインクを張り直すなどの時に、−時的とはいえストーブ本体を無理に動かしたり、給気管や排気管を抜いてしまったりすることは、非常に危険なことです。このような場合には専門技術者の私達に声を掛けて下さい。専門的な知識や技術、そして的確な部品がなければ、移設や移動は出来ないぱかりか、本来は非常に安全なストーブであっても、排気に含まれる「一酸化炭素」が室内に漏れないとも限りません。
FF式ストーブは排気管の接合部分に、ほんの僅かな接触不良の箇所があっても、燃焼を停止してしまうものが非常に多くなっていることも見逃すことはできません。
5.送油経路の点検
1.綿ホコリのお手入れ
3.燃焼リング・赤熱体の点検

燃焼リングや赤熱体もストーブに取っては重要な部品です。焼損して変形が進んでくると、炎の不揃いやススの発生、そして不完全燃焼へと進行してしまいます。
使用して2〜3年目位が交換の目安と考えられますが、ご自身でも確認することが大切です。自信のある方も十分注意しながら点検して下さい。上下に別れた形のものや、更に別の部品が取りつけられているもの、部品の取りつけ方に方向があるものなど、意外に複雑で難しいことに気が付かれることでしょう。誰の目にも変形が感じ
られる場合には、早めに部品交換が必要となります。部品交換をされる場合には、必ずご使用の機種に適合した「
純正部品」の交換が基本となります。正しい位置や順序、そして方向も間違えないようにお取付け下さい。リングの変形写真
6.電源経路の点検

5の送油経路の点検と共に、コンセントに電源コードを差したままで放置してはいませんか。長時間(夏の期間など)ご使用にならない時は電源コードを必ずコンセントから抜いて下さい。また、コードにも目を向けて、被覆の弱っている箇所や差し込み(フラグ)部分の汚れなどにも注意して下さい。
電源コードの差し込み(フラグ)部分に汚れを付着したままで放置しますと、トラツキング現象といって
「電気火災」の原因となる場合もあり、大変危険ですので時々清掃することも大事です。
8.オイル(灯油)タンクについて
3.燃焼リング・赤熱体の点検
9.床暖内蔵式ストーブについて
璧置タイフのストーブ(FF式を含む)では、ほとんどの機種の後面には対流用送風機が装置されていますが、うっかりして掃除を怠っているとフィルタの全面に綿ホコリが付着して、前面に温風が出てこなくなり、暖房効果が損なわれてしまいます。 また、このような場合には機器の「安全(過熱防止)装置」が作動して、燃焼が停止してしまうこともあります
「取扱説明書」に従って、フィルタに付着した綿ホコリをこまめに掃除して、効率の良い暖房を心掛けて下さい
9.床暖内蔵式ストーブについて

何年か使用するとストーブ本体にススが付着するのと同様に、床暖房の温水を作り出すための「熱交換器」にもススやタールが付着して、床暖房機能が低下してきます。この場合には「同じ火力で十分な床暖房効果があったのに、床面が温まらない感じがする」とか「床暖房パネルが冷たく感じる」といった症状がでてきます。このような訴えの修理や点検では相当複雑な処理が要求され、ストーブを設置している場所での処置は不可能となります。従って、定期的な点検整備を行って、ストーブを使用中にこのような故障を起こさない「予防的な処置」が必要です。
また、ストーブ内の専用タンクや床暖房パネルの内部には「不凍液」とか「循環液」と呼ばれる専用液が使用されていますが、「取扱説明書」にも記載されている通り2〜3年で、防錆(サビ止め)効果や不凍液の効果が薄れてしまい、放置して置くと思わぬ被害がでてしまったり、床暖房パネル内部での詰まりの原因にもなりかねません。
11.石油燃料器具が故障した時の「修理の依頼について」

石油燃料器具もある−面から申しますと「精密な機械」とも言えましょう。
従って毎日使用する
「石油瞬間給湯機(ボイラー)」や、「石油風呂釜」などは勿論のこと一年間のうち、ほぼ7か月にも渡って使用される「ストーブ」は、当然のことながら故障が起きてしまったり、不具合を生じてしまうことがあります。
最近の石油燃焼器具はご承知の通り、
「日常のお手入れ」をお客様(使用者)にお願いしている項目や事頂もありますが、簡単な作業でも行って下さる方は少ないのが実情です。1で記述した「燃焼用送風機」の掃除でも、放置されますと必ず「不完全燃焼」の原因となってしまいます。
また
「送油ゴムホース」の日常の点検を怠っていますと、思わぬ「灯油漏れ事故」となって、大変なことにもなり兼ねません。
このように普段から十分な注意を払っていても、突然に故障が起きてしまうこともあります。
故障が起きてしまった時には、次の事頂についてメモを取ってからご連結下さい。

@お客様のご住所とお名前=できるだけ詳しくお知らせ下さい。
A電話番号=一般の加入電話又は携帯電話(お伺いする時や、ストーブの内容確認の連絡に必要)お知らせ下さい。
B故障した燃焼器具については=先ずメーカー名と機種名を必ずお知らせ下さい。
C故障の具体的な症状=説明が具体的であればあるほど対応がしやす くなります
2.ガラス円筒のお手 入れ

燃焼筒部に耐熱ガラス筒をはめ込み輻射熱を有効に取り出すとともに、目から見える暖かさも合わせ持った形式のストーブが主流になっています。
このガラスの内面にススが付着して汚れてしまうと、本来の機能が充分に発揮されません。ご使用(点火)の前に、上ぶたを取り外してタオルやティッシュペーパーなどで汚れを軽く拭き取って下さい。(決して洗剤を使ったり、強い力でギシゴシと拭いたりしないでください。)
素材は耐熱ガラスですから、使
用中もお手入れ中も、強い衝撃を与えたり、水で濡らしたりは厳禁です。また、ガラス筒を上下で支えているパッキンや、上ぶたの取
付け部のパッキンにゆるみや破損のある時には、専門技術者による交換が必要となります。これらの箇所にゆるみがあったり、部品の破損があると、臭いの発生や不完全燃焼の原因につながります
メーカー名や機種名は「取扱説明書」や、器具の前面や側面等に必ず表示されています。私達はこれが判ると、「どのような器具で、何年前に発売されたものであるとか、機種によつては部品の供給がすでに停止されているもの」などの判断材料となり、より親切な対応ができるのです。
4.ポット(バーナー)部の点検
10.FF式ストーブについて
7.簡易ペチカとストーブの関係について

基本的には特殊なストーブを使用しない限り、良好な結果を期待することはできません。暖房効果も素晴らしく「省エネ」にも対応出来そうですが、最近市販されているストーブの大部分は、ストーブ本体での「熱効率」を高めて(70〜75%位)いますので、更にその「排ガス」の熱をペチカヘ接続して流し込んでも、効果が薄いのです。このように、ストーブ自体が高効率のものをペチカに接続してご使用されると、排気の機能(吸い込みとか、ドラフトといいます)も低下して、すす(カーボン)が出やすくなったり、ガラス円筒が真っ黒くなってしまったり、ペチカの内部に結露水が溜まったりとなる場合もあります。
1の項目でもご説明した通り、ストーブの最適な燃焼のためには「送風経路」と、「排気経路」の微妙なバランスも必要となります。
ペチカに使用する目的のストーブをお買求めの際には、専門技術者にご相談下さい。
また、すでにご使用の場合には、3〜5年毎に専門業者に依頼してペチカ内部の掃除を行うことと、ペチカに組み込まれているタンパを全部閉じないように気を付けてご使用下さい。
11.故障した時の「修理の依頼」について
「対流用送風機」