石油ストーブのお手入れ
 
1・綿ホコリのお手入れ
[燃焼用送風機]

外観はキレイでも機器の内部の綿ホコリがいっぱいです。なかには、『良く今まで燃焼を続けていたもの』と思われるものも少なくありません。煙突付きストーブでは、燃焼用送風機のフィルタを通して、ファン(羽根)→風導→ポットバーナーへと燃焼に必要な空気が送られて、燃料の灯油と混合され最適燃焼する構造となってます。この流れの途中に綿ホコリによる障害が生じますと、アンバランスな燃焼(不完全燃焼)となります。フィルタとファン(羽根)に付いた綿ホコリを時々取り除くだけでも、不完全燃焼の予防効果は大きくなります。


[対流用送風機]
壁置きタイプのストーブ(FF式を含む)では、ほとんどの機種の後面には対流用送風機が装置されていますがうっかりして掃除を怠っているとフィルタの全面に綿ホコリが付着して、前面に温風が出てこなくなり、暖房効果が損なわれてしまいます。また、このような場合には機器の『安全(過熱防止)装置』が作動して、
燃焼が停止してしまうこともあります。
『取扱説明書』
に従って、フィルタに付着した綿ホコリをこまめに掃除して、効率の良い暖房を心掛けてください。


2・ガラス円筒のお手入れ
燃焼筒部に耐熱ガラス筒をはめ込み輻射熱を有効に取りだすとともに、目から見える合わせ持った形式のストーブが主流になっています。このガラスの内側にススが付着して汚れてしまうと、本来の機能が充分に発揮されません。ご使用(点火)の前に、上ぶたを取り外してタオルやティッシュペーパーなどで汚れを軽く拭き取ってください。(決して洗剤を使ったり、強い力で拭いたりしないでください。)素材は耐熱ガラスですから、使用中もお手入れ中も、強い衝撃を与えたり、水で濡らしたりは厳禁です。また、ガラス筒を上下で支えているパッキンや、上ぶたの取り付け部のパッキンにゆるみや破損のある時には、専門技術者による交換が必要となります。これらの箇所にゆるみがあったり、部品の破損があると、ニオイの発生や不完全燃焼の原因につながります。

3・燃焼リング・赤熱体の点検
燃焼リングや赤熱体もストーブには重要な部品です。焼損して変形が進んでくると、炎の不揃いやススの発生、そして不完全燃焼へと進行しています。使用して2〜3年目位が交換の目安と考えられますが、ご自身でも確認することが大切です。自信のある方も十分注意しながら点検してください。上下に分かれた形の物や、更に別の部品が取り付けられている物、部品の取り付け方に方向があるものなど、意外に複雑で難しいことに気が付かれることでしょう。誰の目にも変形が感じられる場合には、早めに部品交換が必要になります。部品交換をされる場合には、必ずご使用の機種に適合した『純正部品』の交換が基本になります。正しい位置や順序、そして方向も間違えないようにお取り付けください。


4・ポット(バーナー)部の点検
この部分の点検やお手入れも、十分な知識と注意が必要となります。
ポット(バーナー)内部には[点火ヒーター]とか、[フレームロッド]などの部品が組み込まれていますが、どの部品も大事な[機能部品]です。その他に、[点火ヒーター吸い上げ芯]、[点火芯]とかの部品がついた機種もあり、気軽な気持ちで掃除機などを使用してポット内のスス(カーボン)とともに吸い取ったりしますと、機能障害を起こして故障の原因にもなります。やはり専門技術者にお任せしたほうが無難とおもいます。


5・送油経路の点検
屋外にオイル(灯油)タンクが設置されていて、室内にコック(元栓)がある場合でもストーブをご使用にならない時には[必ず元栓を閉じて]ください。また、室内にタンクを設置している場合でも、ストーブや風呂釜、石油給湯機などを使用しない時には[必ず元栓を閉じて]ください。更に、元栓(コック)部分や、配管されている部分をはじめ、送油ゴムホースの点検もお忘れにならないでください。特にホースバンド(止めがね)で締め付けてある部分や、ストーブの熱が加わったと思われる箇所では、ゴムホースを折り曲げてみて表面に細かなヒビ割れが生じていたり、弾力性が失われているように感じた場合には、早めの交換を行ってください。
(メーカーの中には、2年目毎の交換を義務付けている所もあります。)

 

6・電源経路の点検
5の送油経路の点検と共に、コンセントに電源コードを差したままで放置してはいませんか?長時間(夏の期間など)ご使用にならない時は電源コードを必ずコンセントから抜いてください。また、コードにも目を向けて、被服の弱っている箇所や差し込み(フラグ)部分の汚れなどにも注意してください。電源コードの差し込み(フラグ)部分に汚れを付着したままで放置しますと、トラッキング現象といって[電気火災]の原因となる場合もあり、大変危険ですので時々清掃することも大事です。